株式コラム・469 株式売り出し
2025年03月14日

東証・名証プライム上場の矢作建設(本社名古屋)が発行株数の17%を売出します。金融機関など大株主が持つ株を幹事証券会社がいったん引き取って、新しい株主へはめ込む。いわゆる持合いの解消です。
大量(760万株)の売出しですから、魅力的な条件にしなければ新しい株主を作れません。そこで売出価格を時価よりも安く設定し、会社は増配をします。名目は75周年記念で20円上乗せした80円配当ですが、70周年の上乗せは4円だったので、今回は売出しを意識した増配でしょう。
幹事は大和証券。需給調査をして見通しが立ったのでしょう。1社で全株を新しい投資家にはめ込みました。それだけ好条件だったと言えます。
売出しよって流通株が増えるので株価は大きく下落しましたが、発行株数は増えないので1株当たりの価値は変わりません。むしろ流動性が増して取引はスムーズになります。引き受けた株主の売りが一巡したら元の株価に戻るのは時間の問題と思います。【のび太】