株式コラム・450 利上げ宣告の意味
2024年05月24日

今の日本はこれがニュースになるのですね。5月22日、国内債券市場で長期金利が1%台に上昇。11年ぶりだそうです。市場はゆっくりと利上げを織り込み始めています。
異常な状態が長く続くとそれが正常になる。日本の低金利状態はまさにそれです。50歳代後半の銀行員は入社当初7%くらいの金利で融資をした経験があるはずです。企業はそれだけの収益力があったということです。
上場企業は3期連続で最高益を更新しましたが、少ない金利負担と円安効果があってのことです。利上げと円高を見越して今期はさっそく減益予想。株価が上値を抜けない原因はそこにありそうです。
日銀が事あるごとにやるぞやるぞと利上げ宣告をしつつタイミングを延ばすのは、異常が正常になった日本経済で、金利ある普通の世界に戻せば肺炎になる企業が続出、特に中小企業や住宅ローンを払う個人への悪影響が避けられないからでしょう。
時間をかけて市場に織り込ませ、利上げへの準備時間を提供しているのです。【のび太】