株式コラム・445 リート価値低迷
2024年03月08日
リート(上場不動産投信)の値段が低迷から抜け出せません。株式市場全体が上昇する中で、不動産株も上がっているのになぜかリートは低迷したまま。
理由は二つ。まず金利上昇です。リートは投資家から集めた資金でオフィスビルやマンションなどに投資するのですが、半分を銀行からの借入金で調達しています。いわゆるレバレッジです。利上げによって金利コストが上がった分はそのまま分配金の減少に直結します。
次に、オフィスビルの賃料が低迷しています。保有する物件の評価が下がり、含み損が出始めるリスクを市場は警戒しています。
あおぞら銀行がアメリカ商業用不動産投資で赤字転落したのは、「アメリカ人はさすが損切りが早い、さっさと膿を出す」からであって、東京も事情は同じと専門家は言います。
それだけあちらは立ち直りも早い。日本は中身が相当に痛まないと表面化させない。そのうえリート物件はグループ会社から割高に買わされたものが少なくないので転売が簡単ではないのです。【のび太】