株式コラム・457 円キャリー取引
2024年09月13日
「円キャリー取引は金利差よりも為替のボラが小さいことが重要」とは金融プロの言葉です。
すっかりお馴染みになったキャリー取引ですが、ちょっと解説します。
まず低金利の日本で円を借りる。それをドルにして高金利のアメリカで運用すれば金利差が利益になる。当然金利差が大きいほど良い。今まで5、6%は利幅があった。
問題は、運用を解消する、つまり借りた円を返済するときに円高になっていると、せっかくの利益が為替差損で縮小、ときに赤字になる。従って利幅よりも為替が安定して推移する(ボラが小さい)ことが大事。
日米金利差が少しばかり縮小してもそれだけで取引を解消す理由にはなりません。金利差縮小がドル安円高につながることが問題なのです。今のうちに利益を確定させようと、皆が一斉に取引を解消させる。ドル売り円買いが集中して円高を加速させる。
円キャリー取引そのものが円安や円高の要因というよりも、いったん動き出した市場を極端に大きくした要因です。【のび太】