米シリコンバレー（ＳＶ）銀行の経営破綻は、いち早く政府が預金者の全面保護を約束し、救済合併でスムーズに収束します。

　その名前から、シリコンバレーのベンチャー企業に無茶な融資をし、それが不良債権化したという印象がありますが、それは違います。

　19年から始まった金融緩和は、常に資金不足のはずのベンチャー企業群にも豊富な資金を還流させました。彼らは融資を受けるのではなく預金者になっていたのです。ＳＶ銀行は集まった預金を主に債券で運用していましたが、昨年からの利上げで債券価格は下落。評価損が拡大。あらぬ噂で取り付け騒ぎになり、仕方なく債券を損切り売却。最後は全てを売っても預金を返し切れない状態にまで追い詰められました。

　結局、ＳＶ銀行保有の債券は連邦預金保険公社が買い取りますが、債券は満期が来たら額面が払い戻されるので公社に損失は出ません。事情を知る関係者は「ＳⅤ銀行の運用が下手過ぎ」と切り捨てました。今回は特殊なケースで金融不安に直結はしません。【のび太】