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株式コラム・425 輸出規制解除でも

株式コラム・425 輸出規制解除でも

 ステラケミファ社(東証プライム)は半導体製造に不可欠なフッ化水素で世界トップの会社です。19年に日本が韓国に対し輸出規制をかけた三品目の一つがフッ化水素。以来、同社の韓国向け輸出は半減していました。

 その規制が解除されます。「日本は百年前のことでひざまづく必要はない」と言う韓国ユン大統領ですから、交渉はスムーズに進んだのでしょう。それを受けて同社の株価は三月初旬に急騰しました。

 ところが株価上昇はたった二日間だけで、すぐに元の値段まで下落し、そのまま低迷中なのです。なぜなら折角規制が解除されても、そもそも韓国サムスンやSKハイニックスの半導体受注が減少して、フッ化水素は必要ないからです。なんと皮肉なことでしょう。

 米中半導体戦争の煽りを受けたという事情もありますが、根本原因は、設備投資した直後から世界的に景気が減速したことです。

 いくら半導体が国家戦略的に重要であっても作り過ぎたら値段は下がる。その損失は企業が負う。

 これが市場です。【のび太】

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