先週一二月一五日のＹＮダウが七百㌦下落したのは、複数の経済指標が市場予想を下回り、景気後退懸念で株が売られたから、と説明されました。

　一見すると当たり前の説明ですが、この数年は金利ばかりに関心が集中していたので、景気悪化＝インフレ後退＝これ以上利上げしない＝株高、という連想で動いていました。今回は景気悪化で株が下がった。この当たり前の反応が市場参加者には新鮮でした。景気が素直に反映される相場に戻ったからです。

　さて日本。今週二十日、日銀が長期金利の変動許容幅を0.25から0.5％に変更。実質的な利上宣告のサプライズで市場は動揺しています。

　ご記憶ですか。今年三月に日銀が、株の買い支えを止めると宣告したのを。あれが金融緩和の終わりだったのです。こんなに物価が上がっているのに、この程度の利上げに何を今更仰天するのか。それほど日本人はゼロ金利が染みついているのです。

　利上げに怯える日々から卒業する米国と利上げに身構える日々が始まる日本。【のび太】