インフレは好景気の現象です。モノが売れる。在庫が減る。企業は儲かる。賃金は上がる、物価が上がる。こういう時に金利を上げてお金を絞ると成長にブレーキがかかります。
　今回はコロナと戦争が重なった。各国政府は金利をゼロにして助成金をばら撒く。戦争はエネルギー価格と食料価格を高騰させる。
経済成長下のインフレでは物価はジリジリと上がります。しかし今回は不意を突かれてドカンと上がった。そういうインフレに利上げが効くのでしょうか。
もう一つ、経済指標は常に過去との比較ということです。
八月の米国消費者物価指数は8.3％上昇率でした。異常な高さが続いていますが、これは前年八月がまだ大幅物価上昇の前だからとも言えます。つまり比較対象の前年同月が物価上昇以降になれば自然に上昇率は下がる。あと半年ほどで。
つまり根本原因が続く限り物価は下がらない。ただし数カ月もすれば上昇率は収まるのです。
低金利のまま戦争が去るのをじっと待つ日本。それが正解なのかもしれません。