株式コラム・395 東京街並み変貌
2022年01月14日
新年の東京駅周辺を歩きました。東京駅と言っても少し歩けば江戸時代から続く刃物屋や乾物屋が軒を並べる街並みを楽しめたものですが、ほとんどが高層ビルに代わり、それら老舗はテナントとして入居してしまった。日本橋界隈に残っていた江戸から昭和のなごりは急速に消えました。東京歌舞伎座も高層ビルに入り、上階はオフィスやマンションになっています。
店舗やビルのオーナーは相続税が高額で土地を残せない。仕方なく売却や賃貸にせざる得ない事情があります。
ビル開発が活発な背景にはリート(不動産投資信託)の普及もあります。完成したビルをリートに売却することで資金回収が容易になるからです。上場リート以外に、規模の小さい私募リートには地銀が積極的に資金を出しています。東京の不動産関係者によると、都内では土地が奪い合いになって手に入らないようです。
高層ビル街におしゃれなカフェ。発光ダイオードのイルミネーション。過剰流動性が東京から昔の風情を奪っているわけです。【のび太】