株式コラム・340 ファンド化企業
2019年09月13日
PBR(一株純資産倍率)一倍割れで高配当と言えば、大手商社株です。なぜこのセクターは万年割安なのか。
今の総合商社は投資会社です。いろいろな企業に投資をして、そこからの配当金が収益の中心です。貿易の仲介手数料ではありません。
つまり商社は一つのファンドです。中に組み込まれている投資先の価値の合計がファンドの価値です。例えば、トヨタ株だけを買っているファンド価格がトヨタ株を超過することはないですよね。トヨタ株が上ればファンドの純資産が増えて価格が上がる。それだけです。
商社も同じ。だから商社株の時価総額が純資産合計を超えることはない。PBRは常に一倍未満なのです。
加えて総合商社は資源比率が高く環境で激変するので、収益は商社自身の企業努力が及びません。そのリスクを差し引くからどうしても割安になるのです。
こういったファンド化企業の究極がソフトバンクグループでしょう。この会社はただの箱です。投資家は孫氏の目利きに張っているのです。【のび太】