株式コラム・328 不祥事とガバナンス
2019年02月22日
十年前のリーマンショックは、ガバナンスが効き過ぎた結果である。そういう議論がアメリカで出ているらしいのです。さらに、昨今の日本企業の不祥事。粉飾決算、不正会計、データ改ざん、不正融など。これら不祥事もガバナンス強化の結果かもしれないのです。
ガバナンスは、その主体が①経営者と➁株主に分かれ、①は、経営者が会社の持続的な発展のために長期的な戦略を立てることを指します。一方、➁は、経営者は株主の代理人として株主価値の最大化を目指すべきであり、株主が監視して経営者の支配力を削ることを指します。
近年、➁が重視される余りに、経営者は短期的な利益と株主還元を求められ、結果的に無茶をするというわけです。
法令違反をゼロにする完璧な方法は、業務を停止する以外にありません。業務をやる以上、リスクはある。ガバナンスを簡単に言ってしまうと「正しいことをやって、しっかり儲けましょう」です。では、誰にとって「正しい」のか。前述のような議論が出る程度にしか理解されていないのが現状です。【のび太】