株式コラム・290 出光興産の増資
2017年08月18日
出光興産が公募増資をします。創業家の差し止め請求は東京地裁に却下されました。これで創業家は総会での拒否権を失います。
それでもなお昭和シェルとの合併に反対するのなら、拒否権を復活させるまで株を買い集めるしかなく、株価は大暴騰します。
諦めれば合併に動きます。将来を考えると、それしか生き残る道がないという意味でプラスです。つまり、どちらに転んでも出光株は買い、と市場は読んでいます。
合併後の新会社の株価はどうなるか。利益は単純に二社の合計で一千二百億円です。実際には合理化効果で上振れするでしょう。合併比率を出光一株に対しシェル二・五株としましょう。新会社の一株利益に同業他社並みのPER8倍から9倍を掛けた数字が想定株価です。答えは三千五百円くらい。今の出光株より千円高い値段です。
ただし、増資は会社の支配が目的ではないと正当化した手前、臨時株主総会の開催はもう少し先です。創業家がどう動くか、手打ちになるか、株価は嵐の前の静けさ。【のび太】