株式コラム・263政策待ちの市場
2016年05月13日
昨月末のことでした。「日本銀行は金融機関が資金を預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用しているが、金融機関に対する貸し出しに対してもマイナス金利の適用を検討する案が浮上している。」
こんなリークが市場を駆け巡りました。これは、銀行への貸し出しに金利を付けることを意味し、事実上の補助金です。当然、銀行株が上がります。
こんな特ダネが簡単に事前報道されたことは不思議ですが、一流の通信社から出されたとあって、誰もが信じた。少なくとも何かの追加緩和が準備されていると考えるのが自然だった。
たとえ半信半疑であっても乗り遅れたくないファンドマネージャーたちは円安、株高にポジションを取ることは当然のことでした。それが結局はガセだった。日銀は追加緩和を見送り、日経平均はその日だけで六百円の下落となりました。
誰もが藁を掴む思いで政策発表を待っているのです。一喜一憂の繰り返しばかりです。信じる企業の株をドンと構えて持ち続ける投資に戻りましょう。【のび太】