株式コラム257・オイルマネー
2016年01月22日
石油価格の下落について、まず不思議なのは、30㌦を下回り大騒ぎしている石油価格は90年代の十数年間、10㌦から20㌦程度で、十分やっていたのです。
世界の経済規模はその程度だったのです。二千年以降、新興国の経済成長が石油の消費量を押し上げ、百㌦まで暴騰します。馬鹿げた規模のマネーが転がり込み、どんどん新しく新規の掘削を始め、産出コストが上昇。結果、需給関係は崩れ値段は下がる。苦しいから、さらに産出し、また下がる。それでも減産に動けないから、もっと下がる。これが今です。
しかし、オイルマネーが世界中の株や債券を売っているという指摘は違うようです。マーケット関係者によると、実際に彼らから大量の売り注文が来ているわけでなく、将来、売ってくるという不安心理が蔓延して、それが投機筋の売りを誘発している、というのが現実のようです。
ここまで来たらソフトランディングは無理でしょう。国家規模の波乱を通過して、必ず市場原理が働き、価格は収束します。