株式コラム252・資生堂ショック
2015年11月13日
資生堂は働く母親に優しい会社として有名です。子育て支援が充実し、多くの美容部員が出産後も働きます。その資生堂が昨年から方針を変えました。育児中でも夜勤や土日出勤の指示を出したのです。その理由は
「忙しい夕方、同僚に感謝の言葉もなく帰るなど優遇が既得権益化した。」
社員のやる気を引き出すための取り組みが、いつしか常態化し逆効果になる。よくあることです。しかし、そこに再度メスを入れる経営判断は簡単ではありません。資生堂ショックとまで言われています。
平成二五年から社長に就任した魚谷氏は花王、コカコーラでマーケティングのプロとして活躍した人物。ジリ貧のシェアを立て直すため、二十三のブランドを廃止する大胆な決定をしたのが昨年末でした。株価が堅調なのは新社長の手腕に期待しているからです。
育児中の女性に厳しすぎとか女性客が離れる、など批判はありますが、大企業の建て直しはこれくらいの英断なしに成しえないのが現実なのでしょう。【のび太】