株式コラム200 祝・五輪誘致
2013年09月13日
【のび太】です。このコラムも二百回目。様々な経済的な事象を取り上げ、コメントをしてきましたが、つくづく思うのは、一つの事柄になぜこうも正反対な見解が出てくるのか、です。
TPP、円安、郵政民営化、消費税・・・。残念なことに、どんな政策も全員を幸せにはしません。誰かのプラスが誰かのマイナスなのです。だから常に誰かが反対する。
そのときに冷静な審判の一人が株式市場だと思います。株価が上昇すれば何でも良いとは言いませんが、不特定多数の第三者が日本経済にとって、あるいはその企業にとって良いか悪いかを判断した結果です。後になって、結局株価は正しかったというケースが多いのです。ですからこのコラムは個人より、市場の声をお伝えすることを心がけています。株価は何を期待し、何を不安がっているのか。そういう目で株価を眺めるとまた面白いものです。
折しもオリンピックの東京誘致が決定し、株式市場は大歓迎です。朝の五時までTVにかぶり付いた人も多かったでしょうが、驚いたのは、安倍総理が福島第一原発の事故に関する応答で、「完全にコントロールされている、今も将来もまったく心配ない」と言い切った場面でした。あんな言葉を聞くのは日本人でも初めてです。
福島では今も汚染水が海洋へ流れ出ています。しかし、五輪誘致が最優先される空気の中では、発言は全く問題にされることなく、むしろ良く言ってくれた、総理を嘘つきにするわけにいかない、という気持ちが勝ったようです。安倍総理への国民の信頼がますます強くなったことを、その後の株価が物語っています。
【のび太】平成25年9月13日