投資のヒント162 上場や~めた
2012年01月27日
数年前に上場したオーナー企業のオーナーが、一般株主から株式を買い戻して、再び過半数を持ち、上場廃止にするというケースが昨今、目立っています。
株価低迷のままでは買収されてしまうリスクが高く、その前に上場をやめて、昔のオーナー会社に戻りたいという気持ちは理解できますが、買い戻すその株価が、公開したときの半値以下なんて例が多いのです。オーナーが持っていた株を千円で放出し、数年後に五百円で買い戻す。投資家の損失分がオーナーの懐を潤したわけです。
この手の会社で多いのはカリスマ創業者です。そもそも株価が上がらない理由の一つが、一代で急成長させた創業社長の後継者を誰が務めるのかです。その不安は社長自信も持っており、自分の代で上場させ、株価の安い時を狙って上場廃止させるという、実にワンマンらしい行動になるのです。
株式投資は会社の将来を買うもの。税金優遇された創業者利益を手にして、上場や~めたでは株式投資こそやめたくなります。
【のび太】平成24年1月27日掲載