投資のヒント163 国債が暴落する時
2012年02月09日
日本の国債もいずれギリシャのように暴落する、という指摘を市場から見ると。
国債の価格が暴落するときは、国債を大量に保有している人が市場で売りに出したときです。その人とは郵貯と銀行と年金と生損保。全員日本人です。彼らが、日本国が近い将来に倒産し、国債が一部あるいは全額、償還されないと確信したとき、保有する国債を一斉に売りに出し、そのとき初めて暴落します。
彼らは今のところ、そうは思っていません。債務のGDP比率がギリシャを上回っていることや、貿易収支が赤字に転落したことを承知しながら、なお、日本がパンクするとは思っていません。
理由は、政府がこのまま財政問題を放置することはない、と信じているからです。日本の増税余地は大きく、財政を再建させる余力は十分にあるとも信じています。グローバルな資金の流れの中で、日本の長期金利が上昇(価格は下落)する場面があっても、それは暴落とは意味が違います。ただ、残された時間が短いことも事実です。
【のび太】 平成24年2月9日掲載