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投資のヒント176 シャープの赤字

投資のヒント176 シャープの赤字

シャープの倒産を本気で心配する、そんな時代です。それだけ製造業は厳しいグローバル競争にあります。しかし、理解できないのは二千五百億円という赤字の大きさで、過去の業績から見ても異様な数字です。これまで計上してきた利益まで疑いたくなります。

業界に詳しいアナリストによると、その原因は、①液晶パネルの在庫をダンピング処理したこと。②パネルの稼働率が低く固定費を全く吸収できていない、この二点です。

地デジ対応でTVの特需が発生しましたが、翌年の売り上げは全国で▲80%という反動になり、ソニーやパナソニックよりも国内向けに頼っているシャープが過剰在庫を抱えてしまった。また、アップル向け専用の亀山第一工場の出荷がアイフォーンの低迷で振るわず、稼働率が大きく低迷した。要は、時代のせいではなく見通しと戦略のミスです。

社運はシャープへの出資を約束している台湾・ホンハイ次第。しかし、今回の赤字発表後はまるで倒産を待っているかの対応です。

唯一、堺工場の大型液晶パネルは、世界最高の競争力を持ち、台湾・ホンハイとの提携で稼働率が上昇しています。シャープの命運はホンハイ次第です。

【のび太】平成24年8月22日掲載

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