投資のヒント145 商売は人と人
2011年05月13日
被災地域のある証券会社では、株式の買い注文を出した当日、住居が流された顧客が何人かいました。会社は、代金の回収は困難と覚悟しました。もちろん買った株は暴落しています。しかし、全く音信不通になった人を除けば、遅れはあったものの、結局は全員が何とかお金を工面して、資金決済を完了しました。顧客が「遅れて悪かった」と現金を手に来店し、営業マンが泣いた、という話しを聞きました。
一方、ネット証券会社を通じて取引をして、思いもかねない大損を被った投資家。その中に、さっさと弁護士を立てて自己破産の準備をする顧客?が何と沢山いたことか。小規模なネット証券は、回収できずに倒産する始末です。
企業は値段や手数料を下げるため、人と人の対話を省略しネットを活用します。顧客は気軽に注文し、キャンセルや返品は当たり前。未払いすら横行です。商売の原点は人と人。被災してもなお、相手に迷惑をかけないことを最優先する人々に復興あれ。
【のび太】平成23年5月13日掲載