投資のヒント151 日立と三菱重工
2011年08月01日
8月4日、日立と三菱重工の経営統合がスクープされました。日立の社長は協議している事実を認めながら、結局は両社が全面否定して終わりました。しかし、生き残るために統合が必要という危機感があることは間違いありません。そして、そこに脱原発の流れが背中を押したことも事実でしょう。両社はともに原発技術で先頭に立つ企業なのです。
原発と新幹線は、日本が世界で最も高く評価されている分野で、放射能漏れ事故があってもなお、複数の国が日本の技術協力で原発開発を継続したいとラブコールを送ってくれているのです。涙が出るほどうれしく、誇らしいことです。日本のトップは、「今回の事故を教訓に、より安全な原発を提供します」と言うことこそお互いの国益ではないのか。
不振の電機部門を抱える日立にとって、原発がビジネスとして成立しなくなるのなら統合によって生き残りを、という選択しかありません。より国策企業に近い三菱重工と危機意識の差が透けて見えました。
【のび太】平成23年8月12日掲載