投資のヒント142 大震災でなぜ円高
2011年03月25日
未曾有の被害に見舞われている日本の通貨がなぜ買われるのか。悲惨な現実が報じられる中、円が買われる不思議について、こう説明がされています。
まず、日本の生保、損保会社が保険金の支払に備えて、海外で保有する有価証券を売るのではないか。売却金を円に替えるため円を買う。だから円高。
次に、海外の投資家が、金利の低い日本で資金調達をし、金利の高い国、例えばオーストラリアとかアジア諸国で運用し、鞘(さや)を取る取引を活発に行っ ていましたが、日本の震災や不安定な世界情勢を見て取引を解消する。もともと日本で調達した資金ですから返済は円です。外貨を円に替える。だから円高。い ずれも間違いではありません。
しかし、実際に市場で円高を演出したのは、これに乗じて儲けようとした投機マネーです。彼ら投機筋は目先の利益を追っているだけですが、それができるの も、小国なら国家破綻に相当する今回の災害を、日本は必ず乗り越えるという確信があるからです。
【のび太】平成23年3月25日掲載