昨年の日本経済は、何だかんだと言って１％超のプラス成長をしそうです。内閣府は年初の時点で、為替を89円に想定して０．４％を予想していました。現実は、遥かに円高に推移しながら、予想よりも高い名目成長を実現したのですから、日本企業は大健闘ですよ。

さらに今年は、現状の円高が続く前提で、なお１％超えの予想です。ということは、日本企業は、大方、円高を克服したということです。十五年前に79円を乗り越えて、日本人の底力を世界に示した
ように、今回もやり遂げるのでしょう。

そのために、新規採用を抑え、人件費を抑え、工場を海外へ移転する。その結果、雇用が悪化し、消費が落ち込む。国内景気の低迷は、円高対応の帰結なのです。会社を責めても仕方ありません。存続をかけた企業努力は止められません。

この円高の流れが変わるとき、円高対応を完了し筋肉体質になった輸出企業の業績は驚くべき上方修正となり、株価は跳ね上がることでしょう。【のび太】
平成23年1月14日掲載