投資のヒント135 減税とリート
2010年12月10日
日銀が追加の金融緩和政策で不動産投資信託(リート)の購入を発表しました。この決定は、不動産への公的関与という批判を覚悟の大英断です。日本経済は 土地価格が下落する限り回復はできません。下げ止まるという安心感だけでも、経済効果は非常に大きいでしょう。当然、リート価格は上昇中です。
そもそも、リートの分配金が多いのは法人税がゼロだからです。普通の企業は、一年間の利益から半分近い法人税を支払い、残った利益から配当金を捻出して います。これに対し投資信託であるリートは、利益の全額を分配する、つまり剰余金を残さないという条件で税金が免除されており、同額の収入を得ている株式 会社と比較すると単純に利益は倍なのです。
さて、政府が法人税減税に動き出しました。思い切った減税幅にするほど、多額の納税をしていた企業に恩恵があり、全く払っていないリートは減税メリットはありません。本コラムで何度か推奨してきたリートですが、ここからの投資は慎重に。 【のび太】
平成22年12月10日掲載