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投資のヒント115 サントリー体質

投資のヒント115 サントリー体質

命名権を買って、文化会館の冠に企業名を付けるケースはありますが、東京赤坂にあるサントリー・ホールは違います。佐治敬三氏がカラヤンの助言で建設し、「音の玉手箱」と言わしめたクラシック専用ホールです。二十年余、歴史に残る名演奏が開催されてきました。

同様に六本木にあるサントリー美術館も数多くの名画を展示してきました。サントリーとはそういう会社です。

キリンは、三菱グループに所属する上場企業。文化よりアサヒ・スーパードライとのシャア争いが遥かに重要な優良会社です。統合計画を撤回した理由を、株式の交換比率で意見が一致しなかったと発表しましたが、さる八日、両社トップの記者会見を見て、その漂う雰囲気の余りの違いに企業体質の差を感じた方も多かったのでは。無理して一緒になっても上手くいかないと。

投資家は、昨年の七月に統合計画を発表したとき、この驚きの組み合わせを高く評価しましたが、合併後に破談するよりは良かったかもしれません。

【のび太】平成22年2月12日掲載

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