朝、トイレに入って腰を下ろす。決まってサラリーマン川柳の一句が頭に浮かぶ。
「この俺に、暖かいのは便座だけ」傑作です。

日本ではサラリーマン家庭にもウォシュレット便器が一般化し、洗浄だけでなく癒し効果もある、というのが私の句評です。

日本を訪れる外人が感動するこの便器が、なぜ海外で普及しないのか。長年の謎とされています。日本人の清潔好きが異常なのか。痔持ちが多いのか。欧米ではトイレの横にシャワーがあるからか。

ある岡崎在住の南米人男性が、自国で設置しようと試みました。工事の大変さよりも、別の問題が発生。結局実現できていません。それは水質です。水が当る的が的なだけに、雑菌は禁物。水道水をそのまま飲める日本ならではの製品だったというのです。

ＴＯＴＯは、開発過程で女性社員の協力を得て、的データを集めるといった人には言えない苦労を重ねました。いつの日か世界にブレイクして欲しい一品です。【のび太】
平成２２年４月２３日掲載