投資のヒント96 個人情報流出
2009年04月24日
三菱UFJ証券で、約5万人分の個人情報がシステム部長代理の元社員の手で売却され、名簿業者経由で十数社に情報が流出しました。
金融庁は早速、金融機関に管理強化の通達を出しましたが、この証券会社の管理体制に特段の不備があったとは思えません。システム部の管理職といえば、情報のど真ん中でパスワードを知っている社員の一人。その人間が悪意を持って行動すれば、「管理体制」で防ぐことは無理です。
リストを持ち出した社員と同様に罪が重いのは、名簿業者とその周りのかばん屋と称するブローカーたちですが、弁護士によると彼らを罰するのは不可能のようです。なぜなら、その名簿が何のリストか、誰がどうやって持ち出したのか知らなかったと言い張れば罪に問えないからです。
リスト客へ勧誘活動をしている会社へは「名簿を利用しないで下さい」と呼びかけるのが精一杯です。 どんなに管理体制を強化しても、情報に接する人の倫理観なしには無力。
【のび太】平成21年4月24日掲載