投資のヒント90 リート危機
2009年01月23日
不動産投資信託(リート)の倒産が止まりません。正確にはリートの親会社の倒産です。
リートは、オフィスビルやマンションなどを保有し、そこから上がる家賃を投資家へ分配します。それら物件の評価が下がろうと、空室率が上がろうと、家賃収入が入っている限り、株価が下落することはあっても倒産にはなりません。
ただし、親会社がなくなると、新しい物件が入ってこなくなり、自ら資金を引っ張れなくなるため、将来の継続した家賃収入や、優良物件への買い替えに不安が出てきます。別の投資ファンドなどに買収されて新たな親を見つけることで資金調達を可能にするしかありません。
株価は当然暴落するはずなのですが、昨今は親が潰れても下がらなくっています。というよりも、今の株価はそれすら織り込んで下がり切っているのです。「倒産」がサプライズでなく想定の範囲になっているのです。
いつか正常な経済状態になったら、生き残ったリートは低く見積もっても数倍にはなるはずです。 【のび太】平成21年1月23日掲載