投資のヒント89 賢い個人投資家
2009年01月09日
昨年の主体別売買動向を見ると、昨年、日本株を大幅に売り越したのは外人と日本企業で、買い越したのは個人投資家でした。特に金融危機が意識された8月以降は顕著です。
株価が暴落すると、誰も彼もが売っていると思いがちですが違います。市場は常に売りと買いが全く同じ株数で成立するのです。今回の買い手は個人だったわけです。実際に、株価が一万円を割り込んだ日から、証券会社の店頭には新規の口座設定を申し込む人が急増しました。したたかです。
ただし、個人のマネーが株式市場に大量に入り、株価を押し上げることを期待するのは無理です。彼らは利益を確定すること、つまり利食い売りが大切なことも学んだからです。
株価がアッという間に三分の一に下落し、上場企業が一年で30社も倒産する現実を目のあたりにして、「長期投資」とは、売り場を逃した投資家が株を塩漬けにするときの言い訳に過ぎないと気づいたのです。波乱をくぐり、またひとつ賢くなった?【のび太】
平成21年1月9日掲載