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投資のヒント91 かんぽの宿

郵政公社の「かんぽの宿」がオリックスに一括売却されることに異議が唱えられました。会長の宮内氏はかつて郵政の民営化に携わった人物。我田引水ではないかとの指摘です。
確かに金額が安すぎる印象はぬぐえないし、入札のやり方に不正があったなら罪は非常に重い。しかし、ふに落ちないのは、不正をしてまで手に入れたい物件なのだろうか。
かんぽの宿は全国に約七十ヶ所。国の保養施設は、立地や収益性を無視して建てられる例が多く、大半は赤字経営なのが実態です。一件ずつ売却すると、当然の結果として民間に営業可能な物件だけが売れます。その他は保有した瞬間から多大なコストがかかる不良資産で、タダでも引き取り手はいません。売れ残った赤字施設は日本郵便が抱える。ありえない選択です。
施設を継続させるのは困難な事業で、それができる企業はおのずと限られ、一円でも高く売れればよいわけでありません。加えて最近の郵政民営化の見直し気運も非常に気になります。 【のび太】平成21年2月13日掲載

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