投資のヒント88 長引く景気悪化
2008年12月26日
実態経済がここまで急速にかつ深く傷付いた原因はアメリカ人の消費動向です。
アメリカは先進国の中で唯一人口が増加している国で、流入する移民にとってアメリカン・ドリームの象徴が「マイホーム」と「マイカー」です。これらは当然、ローンで購入されますが、そのローンが下りなくなっており、所得を超えるお金を消費に回すアメリカ流が困難になっているのです。
マイホームが値上がりしてもそれは絵に描いた餅。それを担保に、借金をしてショッピングを楽しむという、日本人感覚では明らかな過剰消費が、実は日本の輸出産業を支えていたという事実を改めて突きつけられている、それが今なのです。
加えてショックなのは、成熟した先進国の落ち込みを新興国の成長が補うという期待が外れたことです。
しかし、アメリカ人が急に倹約家になったわけでも、アジアの人々が急に豊かさを放棄したわけでもありません。世界経済は再び成長します。しばらくは辛抱です。
【のび太】平成20年12月26日掲載