投資のヒント76 低賃金と高配当
2008年06月28日
今期の企業業績は全体として減益になりそうですが、それでも配当金は増配する予定の企業が少なくありません。
一方で、労働分配率は低下しており、これはつまり、日本企業が賃金を抑えて、その分、株主配分を強化しているということです。
問題は、その株主の30%(配当性向の高いベスト10企業は実に40%)が外人であるため、日本人の賃金を減らして外人投資家へ還元しているという構図が出来上がってしまったのです。
と言って、人件費を上げることは海外企業に対して競争力を失うことで、それはできない。日本企業の利益を日本人に還元させる唯一の方法は、日本人がもっと株を保有する、これしかありません。
日本株が下がるたびに「経済三流国になった、外人投資家が日本を見限っている」との論調が出ますが、ウソです。彼らの持株比率はこの二十年間、一貫して上昇しており、経営者にプレッシャーをかけながら、豊富な内部留保金を吐き出させているのです。【のび太】
平成20年6月28日掲載