投信のヒント51 上場のリスク
2007年06月08日
英系のファンドが中部電力の株主として登場し、配当金を倍にしろと求めたのが三月でした。その時、中電の株価は4,500円まで上昇、その結果、配当利回りは一・三%まで下がりました。資産株の代表である電力株がこの水準では全く魅力がありません。ここまで買い上がった投資家は中電がファンドの要求を受け入れると本気で思ったのでしょうか。
今、ファンドから無茶な増配要求をされている日本企業が激増しています。徹底的に資本の論理で攻撃してくる外資のやり方は、多くの日本人には感情的にも受け容れ難いものです。しかし、攻撃されている企業が被害者というわけではありません。彼らは長年、上場企業の特権で市場から大量の資金を調達してきました。そのメリットを享受するために当然引き受けるべきリスクがあります。それは「誰もが自由に株を売買できる企業」になる、すなわち、いつでも買収されるリスクです。それに対抗する最も有効な手段は株価を上げることです。【のび太】
平成19年6月8日掲載