投資のヒント62 四十兆円はどこへ
2007年11月23日
お盆に底を打ったはずの株価が、また下がってきました。
日本の複数の金融機関がサブプライム関連で大きな損失を発表したのです。高い金利に惹かれて資金を出した世界中の投資家が損失を被り、その合計は四十兆円とも言われています。それにしても、それだけの大きなお金はどこへ消えたのか。
消えたのではなく、米国の住宅産業へ流れたのです。ローンを組むほどの収入のない人、つまり、本来ならマイホームなど持てない多くの人が家を建て、一種の特需が発生し、この数年、米国の住宅業界は大いに潤ったのです。
誤算は土地価格が思うように上昇せずに、あるいは、ローンを返済するための所得が伸びずに、破産者が続出したことです。
しかし、もともと有り得ない住宅需要だったのです。それが終わり、また、元に戻るだけです。高い格付けに騙された投資家が、損失を順番に処理するまでのゴタゴタが今の市場の混乱と言えるでしょう。それも時間の問題です。
【のび太】平成19年11月23日掲載