投資のヒント39 日本株、独歩安2
2006年12月08日
日本株が世界各国の株価と比較して大幅に出遅れているその原因に、前回は安倍新政権に対する期待値の変化を説明しました。今回は金融政策です。
景気が上昇過程にあり、それを推し進めるためになお金利を引き下げる国と、景気が下降気味にありながら金利を上げようとする国と、どちらに投資をすべきか答えは明らかです。日本は後者、つまりGDP成長率などの景気指標が今ひとつ芳しくない結果でありながら、金利を上げようとしているのです。日銀総裁は言葉を選びながらもゼロ金利を終わらせ「正常な水準」に戻すことに意欲的です。
第一に、十年間ゼロ金利に慣れた体は一%の上昇でたちまち風邪を引く。借入れ依存の高い中小企業ほど影響大です。第二に、上場企業は積極的に配当金を出していますが、実は世界的に配当利回りは低い方です。その言い訳に使われるのが金利の低さなのです。この言い訳が通用しなくなったとき日本から資金が逃げ出し、もっと成長性が見込める国へ流出することが心配されているのです。
【のび太】
2006年12月8日掲載