投資のヒント40 JTの勝ちパターン
2006年12月22日
旧・専売公社から民営化され12年前に上場した日本たばこ産業(JT)。売出し価格143万円でスタートし、その後60万円台まで暴落、泣く泣く売った人も多いことでしょう。そのJTが世界第五位の英たばこ会社ガラハーを二兆円で買収します。高過ぎるとの声もありますが、これがJTの生き残り戦略です。 実はJTの海外のたばこ販売数量は国内の数量を上回っているのです。まさかマイルドセブンの半分を外国で売っているのではなく、ポイントは買収戦略です。米国を代表する「キャメル」「ウィンストン」「セーラム」は今ではJTが親会社。さらに、医薬などの分野を育成させ見事にビジネスモデルを変革させたのです。その結果、現在の株価は三百万円超え(分割調整)となりました。 企業環境は逆風です。健康を害した喫煙者から次々訴訟を起こされ、禁煙が大ブーム。その中にあって、海外比率を上げ新規事業を育てるという典型的な勝ちパターンを実現させたのです。規模の拡大はリスク要因ですが、リスクなしの戦略はありません。
【のび太】
2006年12月22日掲載